「親が9割?いやいや、せいぜい親は1割くらいでしょ?」
「親はお金を出したり、塾の送り迎え、お弁当持たせれば十分でしょ?」
「がんばれ息子(娘)!父さんは見守ってるからな!」
などと、僕と同じようなことをお思いのみなさま、『中学受験は親が9割』を読んだら、雷に打たれたような衝撃が走ります。
他人事だと思っていた(妻や息子任せにしていた)中学受験が自分事になった一冊です。
中学受験を予定している親御さんの必読書といっても過言ではありません。
ということで、ご紹介します。
著者:西村則康氏のプロフィール
著者の西村則康氏は30年以上難関中学高校受験を指導してきたカリスマ家庭教師。
日本初の「塾ソムリエ」として活躍されています。
中学受験の塾選びをフルサポートする塾ソムリエ西村則康(にしむら のりやす)のホームページはこちら
「○○が9割」というタイトルについて
「中学受験は親が9割」というタイトルを見て「なんか聞いたことのあるタイトルだなあ。なんだっけ?」と、もやっとした人がいるかもしれません。
「○○が9割」というタイトルがついた本には有名なものがいくつかあります。
まず、コピーライター佐々木圭一氏の「伝え方が9割」が有名です。
また、最近では、永松茂久氏の「人は話し方が9割」が売れているようです。
ちなみに、細川モモ氏の「成功する子は食べ物が9割」という本もあります。
もやっとがスッキリしたところで、「中学受験は親が9割」の内容をご紹介します。
『中学受験は親が9割』の内容
塾ソムリエである西村則康氏が、中学受験において親がやるべきことを中学受験未経験の人にもわかるように丁寧に説明してくれているのが『中学受験は親が9割』です。
読みながら僕が大事だとマーカーを引いた最重要ポイントを3つご紹介します。
塾に通う時期は3年生の2月からがベスト
理想を言えば、中学受験を目指す進学塾に通うのは、「3年生の2月から」がベストです。つまり3年生の3学期が終わる少し前。4年生の1学期が始まる前の春休みには、塾での学習を始めているという形が、もっとも望ましいということになります。
うちの息子は4年生の4月から塾に通い始めました。
算数は学校で習わない「○○算」を他の子は学習済みなので少し苦労したようです。
この本を読んだ方のお子さんがまだ小学3年生ならラッキーです。
塾へ行かせるお気持ちがあるなら、3年生の2月からの入塾に間に合うように、塾選びを進めましょう。
中学受験をしなかった子が後から逆転するのはかなり難しい
お父さんがよく言いがちなのは、「大学受験のときだけ集中的にやればいいじゃないか。どうしても入りたい大学があるなら一浪くらいさせてもいい。今はのびのびさせてやれ」というもの。
当初、僕は正にこの考えでした。
僕自身も一浪しているので、「小学校から受験勉強しなくてもいいじゃないか、大学受験の時にがんばって、浪人してもいいじゃないか」と思っていました。
僕がこの本で一番納得したのがこの図です。
同じポテンシャルを持った子が二人いたとして、中学受験した子としなかった子としなかった子とでは中学入学時点で大きな差が付いています。
これは確実です。
その後も、中学受験をした子は、中学受験で超難しい算数の問題に食らいついたり、高校受験かと思うような国語の長文読解ができるようになっているのですから、中学や高校の授業はすんなりと理解できて学力を積み上げていけるでしょう。
中学受験科目の理科や社会も小学生と思えない知識の土台がありますし、中学受験でやっていない英語も中学受験を乗り越えられた子たちができないはずがありません。
授業自体も公立より私立のほうがレベルが高そうですし、差は開く一方です。
小学4年から塾に行き始めた場合、小学4,5,6年、中学1,2,3年、高校1,2,3年の合計9年で差が付いていくのです。
中学受験をしなかった子は、一体いつ、その差を挽回できるのでしょう?
1年位浪人してもその差は埋まりそうにありません。
息子が持っているポテンシャルを(高くはないにしても、)最大限伸ばしてやりたい、と僕は思うようになりました。
中学受験で親の最大の仕事はスケジュール管理
塾のシステムやテストの意味、受講資格などを知ったうえで常に逆算し、子どもに「今何をすればいいか」を伝えていくのです。中学受験で親がすべき最大の「仕事」とは、スケジュール管理に他なりません。
うちの息子はスケジュール管理が全くできません。例えば
- スケジュール管理どころか、学校や塾でもらった予定表などのプリント類はかばんの中でぐちゃぐちゃ。
- 明日の準備も言わないとやらない。
- 言って準備させても、一つ一つ確認しないと漏れている。体操服など。
- 次の塾までにやらなければならない宿題を言わないとやらない。
- 言ってやらせても、解いただけで、やらなければならない丸付けをしていない。
翌日のことでこの有り様ですから、中学受験に向けた長期的なスケジュール管理なんてできるはずがありません。
この本を読んで僕がやりだしたのは、以下のことです。
- 塾の予定表は僕も目を通す。
- 毎朝(もしくは前夜)、今日(翌日)やるべきことを息子にノートに書かせる。
- 仕事から帰宅したらやることが終わっているか声をかける。(たいてい終わっていないのにテレビを見ている。テレビを止めて取り掛かるように促す。)
お仕事が忙しくて帰宅が遅いお父さんは、以下の部分が参考になります。
お父さんは、お母さんほどには子どもと接する時間がないかもしれませんが、だからこそできる役割があります。それが、お母さんと子どもを精神的に支えることです。お母さんのグチを聞くだけでもいいのです。お母さんのグチを聞いて、ねぎらってあげることができれば理想的です。
夕食の準備や洗い物をしながら子どもに「学校の宿題やった?塾のプリントやった?」とガミガミ言うのは大変疲れます。
自分が嫌になることもあるでしょう(僕は子どもに怒ると後で自己嫌悪に陥ることがよくあります)。
そんな役目を奥さんだけにお願いしているのなら、愚痴ぐらい聞いてあげるのがよろしいかと。
帰宅したらビールを飲んで寝るだけを続けていると、いつか怒りが爆発するかもしれません。
あー恐ろしや。
他にも読んでほしい箇所
他にも参考になることが書かれていますので、目次の題目だけ紹介します。
学校の授業は”基礎固め”として最適
塾でレベルの高い勉強をしているからと学校の授業をないがしろにしているうちの息子のようなお子さんをお持ちの方は親子で読んでみて下さい。
親は勉強を教えてはいけない
誰もが下剋上受験の桜井信一さんになれる訳ではありません。
(ちょっと憧れますが)
かの有名な中学受験漫画のセリフにあったように、「父親の経済力」は大事です。
親はしっかり働いて塾代を稼ぎ、勉強を教えるのはプロに任せましょう。
「音読」はすべての教科の力を伸ばしてくれる
お子さんが宿題の音読を面倒くさがるようでしたら、この箇所をお子さんに読ませて下さい。
音読の重要性がわかります。
「中学受験は親が9割」をおすすめしたい人
- 「中学受験なんて必要あるの?」と思っている中学受験未経験の親御さん
- 「中学受験は妻と子供が勝手にやればいい」と思っているお父様
- ご主人がぜんぜん中学受験に協力してくれなくて困っているお母様
最新版と旧版のどっちを買うべきか
「中学受験は親が9割」には、2014年発行の『旧版』と2018年発行の『最新版』とがあります。
旧版から最新版になった際に削られた項目はありません。
参考問題が新しくなり、項目が追加されてページ数が190ページから213ページに増えたことにより、読んで得られる情報が新しく、多くなっています。
よって、旧版の中古がお安くても、『最新版』をお買い求めになることをオススメいたします。
おわりに
中学受験を経験していない僕にとってこの本は衝撃でした。
欲を言えば、2年前(息子が小学3年生の6月)に読んでおきたかったです。
「塾のお金を出して、塾の送り迎えまでしてるから、俺は充分やっている良い父親だ!」とお思いのお父様、お気持ちはよくわかります。
僕もそうでした。
そんなお父様こそ、「中学受験は親が9割」をぜひ手にとって見て下さい。
また、奥様はそんなご主人に「中学受験は親が9割」をさり気なく渡して読ませてあげてください。
まだまだできることがあることに気づけるはずです。
楽ではない中学受験を家族一丸となって走りきりたい、そう思わせてくれる中学受験生を持つ親必読の一冊です。
おわり
西村則康氏の他の著書
西村則康氏には、今回紹介した「中学受験は親が9割最新版」以外にも以下の著書があります。
「中学受験は親が9割最新版」は当然もう読んだよ!という方は以下の著書もお手に取ってみて下さい。