2022年1月17日に行われた2022(令和4)年度 東大寺学園中学 入学試験の結果が公式HPにアップされていました。

以前の記事で「募集人数が前年と同じ200人に対し、出願者数が減っているから倍率は少し下がるだろう」という趣旨のことを書いたのですが、

申し訳ございません。

結果を見ると、倍率は上がってました!

お詫びがてら、東大寺学園のHPに公表されている2022年度の入試結果を引用しながら、前年度と比較していきます。




受験者数

受験者数は2021年の869人から856人と13人減少しました。

出願者数が925人から902人に減少したと事前に発表されていたので、受験者が減るのは予想通りです。

合格者

合格者数は2021年の402人から372人と30人も減少しました。

そんなに絞るの?と非常に驚きました。

倍率

受験者数が減った以上に合格者数が減少したので、当然倍率は上がります。

倍率(受験者数÷合格者数)は前年2.16倍から2.30倍に上がりました

合格者が絞られた理由

2021年の入学者数は200人の募集に対し217人。

入学者数が募集人数より多くなってしまったため、2022年はより200人に近くなるよう、2021年より合格者が絞られたのだと推測しています。

【追記】2022年の入学者数は204人と公式HPで公表されていました。

合格最低点

合格最低点は2021年の249点から224点と25点も下がりました。

受験した息子によると「今年の問題はエグかった!」(非常に難しかったの意)そうです。

三科と四科の倍率

三科受験の倍率は受験者331÷合格者160=2.07倍(小数点第三位を四捨五入)

四科受験の倍率は受験者525÷合格者212=2.48倍

三科受験生の方が倍率が低い(合格する割合が高い)のは三科受験生には灘中や甲陽中受験生が多く優秀だったのでしょう。

受験者平均点

三科受験生と四科受験生の受験者平均点を比較すると国語、算数、理科全ての科目において、三科受験生の方が平均点が高いです。

算数が一番得点差が大きく11.6点もの差があります。
(国語は1.6点差とほぼ同じ。理科は4.5点差)

四科受験生は算数で三科受験生に大きな差をつけられないようにしないと社会で挽回できません。

ちなみに、三科受験生の受験者平均点は224.4点で合格最低点224点を上回っています。
四科受験生の受験者平均点は217.5点です。

三科受験か四科受験か

皆様ご存知だと思いますが、三科受験生の三科とは国語、算数、理科です。

四科受験生は社会を受験しますが、三科受験生は社会を受験しません。

そこで、社会の受験者平均点を見てみます。

65.8点です。

一方、三科受験生の国語、算数、理科の受験者平均点を求めると56.1点((57.2+53.2+58)÷3)で、社会のほうが9.7点も高いです。

ちなみに、前年について見てみると、社会の受験者平均点は69.3点。
三科受験生の国語、算数、理科の受験者平均点はを求めると62.8点((61.7+62.1+64.7)÷3)で、こちらも社会のほうが6.5点高いです。

いずれの年も三科に絞ってやってきた三科受験生の国語・算数・理科の平均点よりも四科受験生の社会の方が点数が高いのです。

しかも、東大寺の四科受験は「四科の合計点」と「三科の合計を3分の4倍した点」のうち、高い方を採用してもらえます。
よって、東大寺の入試に限って言えば、三科受験より四科受験ほうが良さそうです。

とはいえ、三科受験の灘や甲陽を第一志望とするなら三科に全力で取り組む必要がありますから、社会を勉強する時間も他の科目の勉強時間に当てて併願の東大寺も三科受験することになるでしょう。

三科受験にするか、四科受験にするか(=社会を捨てるかどうか)で迷われる人も多いと思います。

中学受験を終えた子を持つ親の一意見ですが、結局はお子さんと一番行きたい学校を決めて、お子さんがその学校に合格するために一番有利な方を採用するしかないのかな、と思います。

そして、三科で行くと決めたら、途中で「算数が思ったように伸びないから、やっぱり社会もやらせようかしら?」と優柔不断になるのではなく、社会という科目は存在しないものとして、苦しくてもひたすら三科を勉強して伸ばしていく、それが大事なのだと思います。

逆に四科で行くと決めたら、「算数の時間が足りないので、社会をやめさせようかしら?」となるのではなく、算数で少しミスがあったとしても、社会で挽回できると考えて、四科バランスよく仕上げることが大事なのではないでしょうか。

中途半端になるのが一番もったいないです。

おわりに

東大寺学園中学の合格者番号一覧は2022年1月19日午前11時にHP上で公表されました。

しかし、15時ごろに再度アクセスすると、合格者番号一覧はなく、今回ご紹介した入試結果に置き換わっていました。

記念に合格者番号一覧を保存したい人は、早めにダウンロードしておきましょう。

今年の試験は前年より倍率が上がり、合格最低点も下がったりして厳しい戦いになったと思います。
合格された方も残念な結果になった方もご家族含め本当にお疲れさまでした。

おわり。